消費者契約法

消費者契約法

お店の説明を信じて商品を買ったら,説明より質の悪い商品だった・・・
お店でしつこく勧誘されエステの契約をしてしまったが後悔している…

など,売り手の言動によってあなたが誤信したり困ったりして契約をした場合,消費者契約法により,契約を取り消して代金を返してもらうことが出来るケースがあります。

あなたが契約を取り消すことが出来るかどうか,消費者契約法が定める以下の条件を参考にしてください。

条件①あなたが「個人」であること
あなたが法人や,個人であっても事業として契約をした場合には,消費者契約法に基づく取り消しはできません。なぜなら,消費者契約法は,事業者に比べて情報弱者である消費者を保護する法律であるため,情報弱者とはいえない事業主などは保護されないからです。

条件②店側が,勧誘する際に,不実の告知,不利益事実の不告知,断定的判断の提供,不退去,退去妨害を行ったこと
    不実の告知
     例)家にシロアリがいると嘘を言ってシロアリ駆除契約を結んだ
    不利益事実の不告知
     例)月謝を途中で値上げする予定なのにそれを告げなかった
    断定的判断の提供
     例)株の売買などの際,絶対に儲かりますと断言した
    不退去
     例)帰ってくれと言ったのに業者が居座って帰らなかった
    退去妨害
     例)帰りたいと言っているのに執拗に勧誘して帰してくれなかった

条件③取り消しができる制限期間内であること
取消しの原因となる事実が消滅してから6か月以内でなかれば,取り消しはできません。ただし,契約をしたときから5年が過ぎた場合は,取り消しはできません。
「取消しの原因となる事実が消滅してから6か月以内」とは,不実の告知,不利益事実の不告知,断定的判断の提供の場合は,あなたがこのいずれかにあたることを知ったときから6か月以内,不退去,退去妨害の場合は,相手が去ったとき又はあなたが解放されたときから6か月以内です。

他にも細かな条件があります。
一見すると上記条件に当たらないように見えても,実は取り消すことが出来る場合に当たることもあります。逆に,一見すると上記条件に当たりそうでも,よくよく話を伺うと取り消すことが出来ない場合であることもあります。

また,上記の条件は消費者契約法に定められた条件ですので,これに当てはまらなくても,民法上の取消しが可能な場合もあります。

ですから,上記条件をご自身で判断してすぐに諦めるのではなく,まずは専門家に相談することをお勧めします。

なお,当事務所には先物取引や投資詐欺等についても経験豊富な弁護士がおりますので,ご相談下さい。

2012.05.25

賃貸物件退去時の原状回復費用

 賃貸しているマンションなどから引っ越すとき,最終日に管理会社の人が部屋に来て,隅々までチェックし,部屋の汚れ・損耗具合を調べます。

 そして,「クロスが汚れているから○○円,床に傷があるから○○円・・・」と計算していき,あなたが差入れていた敷金からどんどんマイナスしていきます。最終的には,敷金がほとんど戻ってこないということもよくあることです。

 管理会社の人に言われるがまま,敷金が減っていくのをみすみす見逃してしまっていいのでしょうか。

 

 そもそも,法律上,賃借人が退去する際に負担しなければならない費用は,賃貸物件の原状回復費用になります。原状回復費用とは,元の状態に戻すためにかかる費用のことです。

 しかし,この原状回復とは,賃借人が住み始めた当初のきれいな状態にまで戻すことではありません。

 

国土交通省のガイドラインは,原状回復を

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、

賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を

超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

と定義しています。

 

 つまり,特約などない限り,賃借人が普通に居住・使用する範囲で生じた損耗等(これを「経年劣化」「通常損耗」といいます)の修繕費用は,既に今まで支払ってきた賃料に含まれており,改めて負担する必要はないのです。

また,長く住めば住むほど,時間と共に当然建物の価値は減少しますので,賃借人の負担割合も減少します。

 

どこまでが「通常損耗」かは争いになるところですが,日照等によるクロスの変色など明らかに自分に非がない点を指摘されたときには,管理会社の人に「それは通常損耗ではないですか?」と,交渉してみると,思いのほか敷金が多く戻ってくるかもしれません。(碇)

 

 

2012.05.14